吉備の中山を守る会は備前一宮 吉備津彦神社周辺と吉備の中山の清掃・整備活動を中心に、史跡・遺跡・伝承を地域とともに伝える活動をしています。

 
 吉備の中山に生育していて,この近辺では比較的珍しい草本類4種を下記に簡単に解説します。この4種以外にも幾つか珍しい植物たちが生育しています。例えば,アワボスゲ,ウマスゲ,ツメレンゲ,ヒナギキョウ,オトメフウロウ,キンラン, ショウジョウバカマ,寄生植物のマツグミ,それにコケ・シダ植物として,銅イオンを好むホンモンジゴケ、さらにイチョウウキゴケ,オオカグマ,オオカナワラビなどがあります。

ヒキノカサ(キンポウゲ科)
 やや湿気のある畑や水田の周辺などに生育し、春に黄色の花を咲かせます。除草剤の使用などによって最近減少している植物ですが、吉備の中山では尾上車山古墳の周辺やキビノミノボロスゲ自生地などに群生しており、簡単に見ることができます。たくさんの花がいっせいに咲き誇るさまは一見の価値があります。
ヒキノカサ


スズサイコ
スズサイコ(ガガイモ科)
 日当たりのよい草地に生え、夏には茶色で星形をしたかわいらしい花をつけます。花は夕方から朝にかけて咲き、昼間には閉じてしまいます。全体の姿がセリ科の薬草「ミシマサイコ」に似ており、つぼみは丸くて鈴の形に似ていることから、この名前が
つきました。吉備の中山では、御陵前広場にモロコシガヤと一緒に生えています。


キビノミノボロスゲ(カヤツリグサ科)
 日本国内では、吉備津彦神社の隣接地にのみ自生するきわめて貴重な植物で、岡山市の天然記念物に指定されています。国外では中国や朝鮮半島に分布し、日本へは古い時代に持ち込まれたものかも知れません。春に咲く花は決して美しいとはいえませんが、吉備の中山を代表する、いつまでも大事にしたい植物です。
キビノミノボロスゲ


モロコシガヤ
モロコシガヤ(イネ科)
 日当たりのよい草地に生え、花のない時期には他のイネ科植物との区別が難しい植物です。岡山県内では吉備の中山にだけ残っており、中山茶臼山古墳南側の御陵前広場に少数が生育しています。秋になると、茎の頂部に長い芒がよく目立つ花を咲かせます。

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