
海獣葡萄鏡出土地
昭和42(1967)年、尾上和田の夫婦岩に登る山道の横から出土。鑑定の結果、東大寺三月堂(法華堂)の本尊・不空羂索観音(国宝)の真上にある天蓋の中心部にはめ込まれている鏡と同じ鋳型で造られたものと判明。中国の唐代に鋳造された物で文様は海獣といわれる獅子と葡萄。同じ文様の鏡が大阪府吹田市山田町からも出土。奈良時代、吉備と東大寺は結ばれていたと研究者は考えている。吉備とは難波氏(王藤内)、東大寺とは寺全体の責任者。難波氏は吉備の中山の麓に本拠を置く海人で、朝鮮半島や中国に渡り海獣葡萄鏡などを持ち帰ったと推測される。